あるある質問
毎日のようにご質問頂きます。
「この練習は効果がありますか?」
「これをこうすると効果がありますか?」
お気持ちは分かるのですが、これでは空回りで上達しないんです。
なぜだかよく分かりませんよね。
心配無用です。
この記事を読んだら、なぜ効果のある練習方法を探ると上達しないかが分かりますよ。
結論
誰が、どんな目的で、どんな現状の時に何の効果があるかが分からないからです。
例
例えば、よくある質問として「ピッキングを浅く速くする練習は効果がありますか?」と聞かれます。
ヘビー・メタル好きの山田君23歳が27歳までに日本一のメタル・ギタリストになることを目指していて、2ヶ月後にレコーディングが迫っており、深く歪ませたサウンドでの速弾きが上手く行かない現状があり、向こう1ヶ月はピッキングを矯正するために「ピッキングを浅く速くする練習は効果がありますか?」と聞くのなら、答えは「はい、効果があります」になります。
ジャズ好きの中島さん45歳が、毎夜ウイスキーを片手に、ボディー・アンド・ソウル(ゆっくりのジャズ・バラード)を弾いて音楽を嗜んでるとしましょう。ウェス・モンゴメリーのようなサウンドが出したいんだけど、どうやればいいか分からない・・・なので「ピッキングを浅く速くする練習は効果がありますか?」と聞くのなら、答えは「いいえ!ウェスのサウンドはフィンガー・ピッキングなのでピックは使わない方がいいですよ」になります。
質問者の心理
上記のように人や目的によって「効果」があるかどうかが変わるのはお分かり頂けたと思うのですが、どうしてこんな質問をしちゃうんでしょうか?
それは「これさえやっておけば大丈夫」というものをコレクションすると安心するからです。脳内がパニックになっている状況をなんとしてでも単純化して安心させようとしてしまうんです。でも、自分の思い込みではなんともならない。だから、自分が思い込みたい内容を詳しい人に頷かせたら脳がめちゃくちゃハッピーになるわけです。だから敢えて「曖昧な質問」をしてしまうんです。ダイエットの専門家に「毎日ブロッコリーさえ食べとけば痩せるんですか?」と聞いちゃうのと同じです。質問する人もブロッコリーだけ食べてて痩せるわけないのは分かってるのに、敢えて曖昧な質問にして頷かせようとしてしまうんです。もちろん求めている答えは「その通り!毎日ブロッコリーさえ食べとけば必ず痩せますよ!」です。上記の「ピッキングを浅く速くする練習は効果がありますか?」の質問をする人が求めている答えは「その通り!ピッキングを浅く速くする練習さえすればすぐに上手くなりますよ!」ですよね。
自分の心理にやられちゃってるんです。
まとめ
効果のある練習方法を探っている自分・・・パニックになってるのに気付いてないんです。「これさえやっておけば大丈夫」という練習があれば既にみんなやってます。ないんです・・・
でも・・・
わかっちゃいるけど、そんな質問しちゃうんですよね・・・それが心理です。それもお見通しです。だから「質問するな」などとは言いません。どうぞドンドンそんな質問をトータル・ギター・メソッドでしまくって下さい。毎日でも大丈夫です。周りになんて思われようが関係ないです。その都度、上記の内容を説明しますね。
津本幸司