バッキング・トラック
歌モノのカラオケなどを作る作業をバッキング・トラックを作ると言います。アマチュアの方がバッキング・トラックを作るときにやってしまいがちなことが多数在りますので参考にしてください。
お知らせ
音楽家コーチング記事はnoteに引っ越ししました
①ギターがバカでかい
自分のメイン楽器というのは必要以上に大きくしてしまうものなんです。普段、伴奏に合わせて演奏しているときに、他の楽器より大きな音量でギターを聞いているので、慣れてしまってるんです。数週間後に自分が作ったバッキング・トラックに合わせて歌おうとすると「ギターでか!」と思うことがしばしばあります。
「ちょっとギター小さすぎるかな?」くらいでちょうどいいのです。
②ハイが出過ぎ
モコモコする音だと何が何だか分からないので、全体的にハイレンジを持ち上げたくなります。これは各楽器の音色を選ぶ所からその症状は出ています。アタック音がしっかり出ているドラム、ベース、ギターを選び、イコライザーをいじる場面があるならどうしても高音を少し持ち上げてしまいます「聞こえづらいんじゃないかな?」という方向でイコライザーを触ってしまうのです。これは歌い手さんがいたら耳が痛いです。ソニーのCD900STを使う日本人ならさらに痛いです。私達はAKGのK240を使う欧米派ですが、それでもアマチュアの方が作ったバッキング・トラックに合わせるとハイを全体的にもう一度イコライザーで落としてから使うようにしています。
「ハイが出過ぎてないかな?」と思いながら楽器選択とイコライザーを触るくらいでちょうどいいのです。
③突出楽器がある
「なんでライドシンバルだけこんなにデカいの?」とか、「なぜスプラッシュだけ左端で独立してるの?」とか、一つの楽器が突出している場合がしばしばあります。これは自身の環境のせいなのです。スピーカーや部屋のルーム・チューニングのせいです。
アルアルなのが上記①②③を合わせて、クリーンのアルペジオのピッキング・アタックがメチャクチャ耳に痛いのが多いんです。
ヘッドホン、イヤホン、スマホ、テレビのスピーカーなど制作したときとは別の環境で確認するといいですよ。
④中帯域に凝縮される
バッキング・トラックというのはその上にリード・ギターなり、歌なりが乗ることを想定していますよね。リード・ギターや歌のレンジを「残して」作らないといけないんです。その帯域にあらゆる楽器がぎゅっと凝縮してることが多いのです。250Hz、125Hz以下の低域と6キロHz以上の高域にも音が分散されてて、500Hzや1キロHzあたりに隙間を作るくらいでちょうどいいですよ。これはイコライザーでまとめて調整するのではなくて、録音時に考えてください。
⑤エフェクター使い過ぎ
ドン・ツ・タン!・ツ・ドン・ツ・タン!・ツ
と、言うドラムを期待すると
ドン・ツ・すぅっ・ツ・ドン・ツ・すぅっ・ツ・
と、スネアが消えてたりします。
コンプの使い方を間違えていたりするのです。
あと、よくあるのはソーセージと言って、最後にマキシマイザーとしてのコンプレッサーを掛けてラウドネスが非常に大きくなっている状態があります。バッキングトラックの状態でマキシマイザーかけてしまうと歌などを乗せにくいです。
コンプだけに限らずエフェクターはむやみに使ってはいけません。何でもかんでも、コンプとイコライザーを触らないと気持ち悪いのは分かりますが、エフェクターは最終手段くらいで考えてください。
「このエフェクター必要かな?」と考えるくらいでちょどいいです。
まとめ
読むだけでなく、手を動かしてください。
うちの娘が上に歌うカラオケを作って下さる方を募集してるので、以下からご覧下さい。discord.gg
一応上記の問題点を無理矢理私が調整して歌を乗せました。
津本幸司