速弾き
「速弾き」なんていう言葉存在・・・してるんですよね、日本では。本国アメリカでは・・・あ、実は存在するんです「シュレッド」と言います。私達プロギタリストが最も嫌いな単語です。そして速弾きする人を「シュレッダー」と呼びます。これは最高にギタリストを侮辱する言葉です。音楽的に中身のないただ音を量産するだけの間抜けという意味になるからです。
たとえば、高級車を見て「プラモデルみたい」というような感じです。なんとなく分かるでしょうか?
したい
なんかよく分かりませんが、ギターを高速に弾くことに憧れる人ってやたら多いんです。私自身アメリカの高校を飛び級で卒業してしまったので、時間合わせるために1,2年日本の高校に通っていますが、その頃は「奈良県で一番イングウェイのコピーが上手いヤツ」として知られていました。ちなみにイングウェイというのは昔の速弾きの名手です。
なので、気持ちは分かります。
ギターの速弾きは練習するな!
「ギターの速弾きは練習するな!」というのには、その後に続く言葉があり、
「完璧なピッキングを身に付けるまでは!」
と、なります。なんとなく解釈できるとは思いますが、これが大きな落とし穴なんです。詳しく説明します。
多くの音楽的試み
音楽を嗜む上であらゆる新しいことに挑戦しなくてはいけません。日本人の性格的に「基礎をマスターしてから、練習をして、実践をする」という順序が身に付いています。そして、その順序が「逆だ!」と説明するのが私達指導者の方針です。
とにかくすぐに実践してしまって、失敗して、何が足りないかを学んで、そこを練習しながら、足りない基礎を探してマスターする・・・という順番が最も効率が良い音楽学習の方法です。
私達現在の音楽家が発見したのではありません、バロック以前の音楽家も同じことをいっています。
唯一例外
唯一の例外が「楽器の技術」です。特に「速度」にまつわる技術です。今回は初心者にも分かりやすくするために「速弾き」という言葉を使いましたが、音価の短い連続した演奏全般を指すとお考えください。これだけは、先述の日本人の性格を利用した方がいいのです。つまり
「基礎をマスターしてから、練習をして、実践をする」
という順序です。
なぜか
不思議なのは、実践から実施した方が良い内容を基礎から固めようとして、速弾きに関してはいきなり実践しようとする人が多いんです。早期にやってみたくなる気持ちは分かりますけどね。
対処法
対処法は簡単です。正しいピッキングができているか、ちゃんと美しく高速で弾けるギタリストに見てもらってください。これだけは、動画ではできません。当然、私の教則本も含めて、文字を読んでできるようになるものではありません。
先輩や先生に会って確認してもらってください。
まとめ
「基礎をマスターしてから、練習をして、実践をする」という順序で正しいピッキングを身に付けてから、速く弾く練習をしてください。
津本幸司
自動的に「基礎をマスターしてから、練習をして、実践をする」という順序が踏めるように体系化してメソッドを作りましたので、興味があるかたは以下をご覧ください。