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ギタリストの1曲マスター術「この順番よ!」

1曲

津本幸司

1曲を弾けるようになるにはどのように練習すればいいんでしょうか? 音大学生達に曲名だけを伝えて「来週のこの時間までに弾けるように」と課題を出すと、その音大学生がこの先音楽家として生活していけるかどうかが分かります。

ダメな例

最もダメな例が、楽曲を聴いて、楽譜を入手して、突然曲の頭から弾き始める行為です。私達プロでもそんな怖いことできません。知らない土地でいきなりダッシュで目的地に向かうようなものです。途中で断崖絶壁があったらどうする? 超えられない山があったらどうする? 青木ヶ原樹海のような場所がでてきたらどうする? 

どのみち難所にぶつかり止まることは避けられません。そして、その場所を繰り返し練習する・・・これでは百年あっても弾けるようにはなりません。

ちなみに

ちなみに年始に若いギタリスト30名を集めたクリニックにゲストで呼ばれてこの話をすると「僕は解説動画を見ながら練習します」と言われました。椅子から転げ落ちそうになりましたが、やってる人多いんですよね。

それは習字で言うと「なぞり文字」であり、文字を書く段階ではないのです、つまり1曲の楽曲を弾く段階にいないということです。。

正しい順序

  1. 数回聞いて自分のチャートをペラ1枚にまとめます。
  2. 清書します。
  3. 注意点を書き込みます。
  4. 難所を探します。
  5. 基礎練習が足りてない部分を探して該当基礎項目を練習します。
  6. 読譜技術が足りない部分(高速パッセージなど)を練習します。
  7. リズムギター部、リードギター部に分けます。
  8. リズムギターを通します。
  9. リードギターを通します。
  10. 技術不足の部分をノートに書きます。
  11. 該当技術を練習します。
  12. 全体を通します。

遊びでもやる

私自身、ブロードウェイでも、武道館でも、子供達と遊ぶ時であっても全く同じ順序でやります。以下は小学校の余興に行った時用の各作業です。

1番目の作業

2,3番目の作業

4番目の作業

5,6,11が命

5番目「基礎練習が足りてない部分を探して該当基礎項目を練習」、6番目「読譜技術が足りない部分(高速パッセージなど)を練習」、11番目「技術不足の部分を練習」が普通はできないんです。どうやって練習するかが分からないから永久にそこでストップということになります。

これを解決するために30年ほどギター教則本を書いています。その集大成がトータル・ギター・メソッドⓇです。これ使って弾けるようにならないならギター自体、いや音楽自体辞めた方がいいと思います。

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まとめ

くれぐれも譜面台に一曲分のスコアをドンと置いていきなり弾き始めることのないように(ドキッとした?)。

津本幸司