レコーディングでの失敗
シャレにならない失敗をしてしまうものです。素人ギタリストのレコーディングでの失敗なら笑ってごまかせるのですが、プロの現場ではそうはいきません。でもみんなやっちゃうんですよね。
私にはプロになった生徒がたくさんいます。彼らの失敗だけを紹介します!私の失敗じゃありませんよ!あいつらの失敗ですよ!はぁはぁはぁ
ボーカリストに当日キーを変えられた
テレビで活躍した生徒がいます。コージ君というギタリストです。テレビの収録の前日しっかり「仕込んで」行きました。キーがEの曲です。開放弦を使った速弾きなどを披露するつもりでした。当日ボーカリストが「半音下げて」と言ってきました。コージ君はフローティング・トレモロのギターでしたのでチューニングを半音下げることが容易ではありません。やむを得ず仕込んだ内容を全部パーにして演奏しました。
教訓
ヘタに目立とうとするとバチが当たります。
マニュピュレーターにデータを消された
DVDを収録していた生徒がいました。コージ君です。「スタジオでの録音の作業なんて高額なマニュピュレーターを雇わなくても誰でもいいやぁ!」と思って編集社の方に「録音する時にこのボタン押して、終わったら停止のこのボタン押して下さい」とお願いして収録開始!「保存」をしておらず・・・1時間経った時にコンピュータがぶっ飛んでパー・・・
教訓
セコセコせずに、高くてもプロを雇いましょう
映像用のディレイが掛かっていた
でっか〜いスタジオでレコーディングをしていたコージ君という生徒がいました。プロ・スタジオには映像とシンクさせるためのディレイがマスターに付いてるレコーディング・コンソールがあるんです。レコーディング中にそんなボタンを押したらダメなことくらい子どもでも分かります。ある時、有名な偉いエンジニアが間違えて押してしまってたんです・・・。当然そのディレイに気付くのは弾く人だけです。コージ君は怖くて指摘できず、他の誰もその間違いに気付かないので指摘することなく・・・半拍ずらして弾いたそうです(これはこれで凄い職人技ですが)w
教訓
偉い人も間違うことがあるので指摘しましょう。
7連符を弾いた
超高速グルーヴィー・カッティングをメジャー・デビューアルバムの3曲目に収録したコージ君という生徒がいました。見せ場である6連符カッティングを前日まで高速で練習し続けました。レコーディング当日、あまりに力が入りすぎて7連符になっちゃったそうです・・・当時1999年発売の後に2チャンネルで悪口が書かれていました「あいつの6連符って7連符だし・・・ヘタ」ごもっともな意見です。いまだにその音源は出回っていますw
教訓
速いが偉いじゃないんです。
校歌だった
あらゆるレコーディングを任されていたコージ君がいました。「合唱の伴奏をレコーディングするから好きに演奏して欲しい」と言われて、「おっしゃぁ!弾きまくろう!」としてディストーション・ギターでジャンジャン伴奏して、隙間があればギター・フィルをキュイン・キュイン入れていました。録音終了後に小学校の校歌であることを知らされました。足立区のとある小学校ではいまだにコージ君の爆裂ヘビー・ギターに合わせて全校児童が歌っているそうです。すみません・・・
教訓
何のためのレコーディングかを確認してから弾きましょう。
まとめ
このバカな生徒は色んな教訓を生んでくれました。良い生徒でした・・・
若いギタリストが同じことをしないことを願って
津本幸司