レベル
ご質問頂きました。
「今の自分はどのくらいのレベルでしょうか?」
確かに気になりますよね。自分は初心者?中級者?上級者?
心配無用です。
この記事を読んだら、どう考えるべきか分かりますよ。
結論
分かりません。
調べようがありません。
意味ありません。
知るべきコトその①
世の中のモノを比較する時、比較対象が「質的なモノ」か「量的なモノ」かを、知る必要があります。「男女」は「質的なモノ」です。どっちかですものね。「ちょっと女」とか、ないですものね。「温度」は「量的なモノ」です。これは「ちょっと熱い」とか「だいぶ冷たい」などと量的変化をするものです。
ギターのレベルって量的なものです。「アナタは上級者」などという「質的なモノ」ではありません。
知るべきコトその②
世の中のモノを測る時に「絶対的な値」があるか「相対的な比較」しかできないかを考える必要があります。「温度」は「絶対的な値」がありますよね。気温38度などの数値で出せますものね。でも、「男のセクシーさ」なんてのは「相対的な比較」しかできませんよね。「俺は26セクシーだ!」という「絶対的な値」がありませんものね。
ギターのレベルも相対的な比較しかできないんです。「俺のギターのレベルは47だぜ!」とかはありません。
知るべきコトその③
ここまでの話をすると
「じゃあ、今の日本のギタリストの中では自分はどのレベルにいますか?」
と聞かれます。これは私も調べられません。日本のギタリスト全員のことを統計学では「母集団」と呼びます。そこから無作為に数人選んで調査をして調べればなんとなく分かります。その無作為に選ぶ人のことを統計学では「標本」と言います。「なんとなく分かる」ための「必要標本数」というのが計算できるのですが、計算の説明が面倒くさいので結果を言うと、私1人で調べられる数ではありません。
だから、全く分からないんです。
知るべきコトその④
ここまでの話をすると
「じゃあ、津本さんが知ってるギタリストのレベルの平均よりも上ですか?下ですか?」
と聞かれます。平均値は意味ないんです。10人のギタリストがいるとして、1人がトップ・プロで9人が初心者レベルなら、その9人全員が平均以下になりますものね。この1人のトップ・プロのような存在のことを「外れ値」と言います。これの影響を受けないようにするために「中央値」で考えます。
知るべきコトその⑤
ここまでの話をすると
「じゃあ、津本さんが知ってるギタリストのレベルの中央値よりも上ですか?下ですか?」
と聞かれます。私のギタリストの知り合いなんてトップ・プロばかりです。アマチュア・ギタリストもプロを目指すISMギタリスト養成所の生徒様や、真面目にギターを嗜むトータル・ギター・メソッドの会員様だけです。そんな私の知り合いのギタリストの中央値を参考にしたら
「あなたは超・初心者です!」
としか答えられません。
知るべきコトその⑥
ここまでの話をすると
「じゃあ、津本さんが知ってる私と同じ年台で、同じスタイルで、同じくらいのギター歴のギタリストの中央値と比べたらどうですか?」
と聞かれます。
お分かりですね。
つまり、
「自分と同じようなレベルの人と比べて、自分のレベルはどうですか?」
という訳の分からない質問になっています。
知るべきコトその⑦
そして!知ることによって何になるんでしょうか?優越感に浸りたい?ショックを受けたい?自分が上級者だと知って安心して練習止めるんでしょうか?自分が初心者だと気付かないと頑張れないんでしょうか?
そう、こんなこと知ろうとすること自体が無意味なんです。
まとめ
自分と人のレベルを比較しようとしなくて良いんです。
永久に初心者だと思ってコツコツ頑張りましょう。
そいて、最初から上級者だと思って自信を持って弾きましょう。
若いギタリストを応援しています。
津本幸司