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【ハーモニクスとは】今さら聞けないシリーズ

ハーモニクス

「ハーモニクスって何?」って今さら聞けないですよね。

心配無用です。

この記事を読んだらハーモニクスが何か分かりますよ。

定義

「ハーモニクスとは倍音のこと」です。倍音とは、周波数が倍、2倍、3倍・・・となる音のことです。難しく言うと、基本周波数の整数倍の成分です。

具体的に

例えば5弦開放のA音が110Hzですので、220Hz、330Hz、440Hz、550Hzが倍音です。

音名で考えるとA音、1オクターブ上のA音、E音、2オクターブ上のA音、その上のC♯音になります。

名前が付いていて、一番最初の5弦開放のA音を「基本周波数(もしくは第1倍音)」、1オクターブ上のA音を第2倍音、1オクターブ+5度のE音を第3倍音、2オクターブ上のA音が第4倍音、その上のC♯音が第5倍音となります。

弦の長さとの関係

数字や音名だとピンとこないですよね。でも、弦の長さとの関係を知ると分かりやすいんです。例えば、

基本周波数(もしくは第1倍音)である5弦開放のA音をビーンと弾いてみて下さい。

今、0フレットからブリッジまでの長さの弦を振動させたことになります。

次に、第2倍音を同じ弦で鳴らすにはどうしたらいいでしょうか?

答えは簡単、「弦の長さを半分にする」んです。

丁度半分はどこでしょうか?

答えは「12フレット」です。12フレットを押さえると1オクターブ上の第2倍音が鳴ります。

ここで不思議な現象が起こり、別に弦を押さえなくても12フレット上を指先で軽く触れてピッキングするだけで同じ音が鳴るんです。どちらかというと、その方が混じりっけのない第2倍音だけが鳴ります。つまり「ハーモニクスだけを鳴らしている状態」です。

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次に第3倍音を鳴らすにはどうしたらいいでしょうか?

答えは「弦の長さを3分の1にする」んです。丁度7フレットの真上です。指先で触れるとE音が鳴っていると思います。3分の1のポイントはもう一つあります。19フレットです。同じように指先で触れてピッキングすると同じ音が鳴ると思います。

次に第4倍音を鳴らすにはどうしたらいいでしょうか?

もうお分かりですね。答えは「弦の長さを4分の1にする」んです。5フレットと24フレットの上です。

最後に第5倍音を鳴らすにはどうしたらいいでしょうか?

答えは「弦の長さを5分の1にする」んですこれはちょっと技術的に難しいのですが「4フレットの数㎜下くらい」でC♯が鳴ります。

このように弦の長さを半分、1/3、1/4、1/5にすると、第2倍音、第3倍音、第4倍音、第5倍音が鳴ります。

注意

ハーモニクスはフレットを普通に押さえた時とは異なるピッチが鳴ることに注意して下さい。例えば、第4倍音は2オクターブ上のA音ですが、弦の長さを4分の1にする5弦5フレットを押さえるとD音になってしまいます。これが紛らわしいんです。

使い方

  • 5弦開放はA音です。
  • 6弦開放はその下のE音です。
  • 5弦開放の第3倍音の5弦7フレットは「1オクターブ+5度のE音」です。
  • 6弦開放の第4倍音は「2オクターブ上のE音」です。

同じになるんです。

だからこの2つのハーモニクスを同時に弾いてチューニングが合っているかどうか確認できるわけです。

メロディも弾ける

工夫をすればメロディも弾けます。トータル・ギター・メソッドのテクニック編「ハーモニクス」から4小節提示します。これはよく聞くチャイムの「キーンコーンカーンコーン」です。(ハーモニクスはしばしば菱形で記されます)

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こんなメロディまで工夫すれば弾けちゃうのがハーモニクスの面白いところですね。

まとめ

ハーモニクスとは倍音のこと。難しく言うと、基本周波数の整数倍の成分です。チューニングなどで使える便利な原理だと覚えておくと良いでしょう。

独学ギタリストを応援しています。

津本幸司

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