すごいギタリストって毎日どんな生活してるんだろう?
気になりますよね。だけどそんな人の生活見られるわけないし・・・
心配無用です。
私が友達のポール・ギルバートの生活をこっそり(許可は取ってます)紹介しましょう。
結論
頭おかしくなったんじゃないか?ってくらい朝から晩まで練習してます。
どうかしてるんじゃないかってくらい、朝から音楽の話ばかりしてます。
こんな逸話よく聞くと思いますが、ホントのプロってこういうもんなんです。
天下のポール・ギルバートの1日(クリニック・ツアーの実話)
朝食
「今朝弾いてたフレーズで気付いたんだけどさ!」
から会話が始まります。
私にとっては先輩なのでもちろん興味深く聞く(ふり?)をします。
朝食をとりにレストランに行くと、食事が運ばれてくるまでノンストップでギター談義です。
会話がなくなるとスマホを取り出して、
「これブライアン・メイと一緒に撮った写真だぜ!すごいだろ!」
ホテルの部屋に戻ります
ドアがバタンと閉まった瞬間
「テケテケテケ、ベチベチベチ、ジャンジャン!」
と、弾きまくります。
お迎えの車が来たことをスタッフが知らせに来ます。
私と合流して車に乗ると今度は質問攻めが始まります。
「コウジ、このジャズ理論はどうなってるんだ?」
「クラシックの世界ではこの進行の解決はどう把握するんだ?」
「この時の正しいスケールはなんて説明したらいいんだ?」
「この曲のここはなんでこうなってるんだ?」
「コウジの本読ませて!訳して!」
まるで、音楽を習いはじめた子供のようです。
会場到着
鼻息を荒くしながらギターをおもむろに取り出して練習を始めます。
なんか確認したいコトがあるらしく私にも弾かせます。
「ちょっと、このフレーズ弾いといてくれないか?これ合わせたらどうなるかやってみたいから」
それを中断するかのようにスタッフがリハーサル準備のお迎えにきます。
リハーサル
あーでもないこーでもないと普通にリハーサルします。
リハーサルが終わったらそのまま楽屋に戻って練習再開です。
「さっきのフレーズなんだけどさ・・・」
と、フレーズの構成が分からないらしく質問してきます。
おなかがすいたらしくスタッフにサンドイッチをもらって右手で食べながら左手はフィンガリングしています。
本番
登場の数秒前まで練習しています。
普通にクリニックをします。お客さんなんて100人ほどです。
2,3音間違えていましたが、普通にクリニック終了です。
本番終了後
楽屋に戻って、
ちょっと元気がないので「どうしたの?」と聞くと
「間違えた・・・」
と落ち込んでいました。
・・・おまえはライブを初めてやった高校生か?
そして・・・なんと、すぐ練習します。
今まで散々弾いたじゃない・・・
そんなことお構いなく練習しまくります。
新幹線移動
ポールと私にはグリーン車です。当然ギターを弾くことも、大声で話すコトも許されません。
すると、パソコンを取り出し、ギターのデザインを始めました。
「コウジのギターをデザインしてやるぜ。俺のファイヤーマンの形にコウジの好きなナチュラルのメープルのせたらこうなる!」と耳元でささやいて来ます・・・
この人、最近ギター始めたんか?
飲み会
スタッフが食事の場所を用意します。
2時間ずーっと音楽談義です。
「あの曲いいよね!」
「あのアーティスト最近聞いたけどいいよね!」
「あのフレーズかっこいいよね!やべ、忘れかけてる!歌おう!」
と店のなかで歌い始めます。
私は「ちょい、静かにせんか~い」と注意します。
(英語で嫌みなく言う方法があります)
ホテルへ
タクシーでホテルへ向かう最中も音楽好きの酔っ払いそのものです。
音楽のコト話せる人に初めて会ったのか?
この時点で、ポールも私も疲れ果てています・・・
ホテルの部屋は隣同士です。
おやすみ
ホテルに入って私が寝ようとしたとき、壁の向こうから
ペケペケペケ、キュインキュイン、ジャカジャカ・・・
マジか・・・
まとめ
もうお分かりでしょう。
ここまでやるから、あそこまでの大スターなんです。
私、津本幸司はスターではありません、私は「ミュージシャンズ・ミュージシャン」、つまり「音楽家の為の音楽家」です。なんとしてでもこのようなエピソードを音楽家の皆さんに広めなくてはいけません。参考になれば嬉しいです。
津本幸司
二人で一緒に遊ぶ時の必需品です。理論の項目はポールにもやらせてます→トータル・ギター・メソッド