「ハーモニック・マイナーは速弾きのスケールですか?」とご質問頂きました。
80年代の若者
80年代はハーモニック・マイナー・スケールと聞くと速弾きを想像しました。リッチー・ブラックモアやイングウェイ・マルムスティーンが使っているのが「ハーモニック・マイナー・スケール」だと知った若いギタリスト達がこぞってハーモニック・マイナー・スケールをゲーム感覚で速さを競ってました。音楽でもなんでもありませんでした。
当時の若者は今・・・
驚いたことに、音楽学校やギター教室の先生になっています。おじいちゃんになっちゃって、下っ腹は出ちゃって、
「ハーモニック・マイナーは速弾き用のスケール」
と、教えているようです。
ホントでしょうか?
心配無用です。
この記事を読んだらハーモニック・マイナーの本当の意味が分かりますよ。
結論
「ハーモニック・マイナーは速弾き用のスケール」ではありません。
歴史
リッチー・ブラックモアをはじめとするロック・ギタリストがクラシック音楽を真似して「それっぽく」聞こえるように工夫しただけです。あのギタリスト達が思うクラシック音楽であり、実際のクラシック音楽とは関係ありそうで無関係です。もちろん「ハーモニック・マイナー・スケールはクラシック音楽のスケール」というのも間違った考え方です。その後にブラックモアをマネしたイングウェイが超高速でそのスケールを弾き始めました。バロックがすべて、バッハ命と言いながらオーケストラと共に演奏する速弾きギタリストです。音楽学的にはメチャクチャです。ロマン派のソロ・コンチェルトの形で、楽器編成もロマン派後期で、さらに「組曲」と名付けています。組曲とは本来アルマンド・クーラント・サラバンド・ジーグからなる舞曲のことをいいます。さらに、オーケストラ用のソナタをシンフォニーと呼び、楽章構造にも細かい決まりがありますが、このギタリストは伴奏にオーケストラがいたら「シンフォニー!」と呼んでます。恥ずかしい・・・
勘違いしないで下さい
イングウェイが悪いことをやっているわけではありません。あの独自の世界観は素晴らしいです。
ただ!「ハーモニック・マイナー・スケール=あの世界観」と考えている日本人ギタリストがとても多いのが問題です。
ハーモニック・マイナーとは
ハーモニック・マイナーとはナチュラル・マイナー(ラシドレミファソラ)の7番目の音を半音上げたスケールです。ソに♯がついて「ラシドレミファソ#ラ」です。
ロックやジャズはもちろん、ポピュラー、演歌、クラシック、ボサノバ、ディズニー音楽や童謡に至るまで、どのスタイルの音楽にも必須のスケールです。速弾きのスケールではありません。
まとめ
ハーモニック・マイナー・スケールは速弾き用のスケールではありません。
あらゆるスタイルの音楽に必須のスケールです。
初心者の方が正しいスケールの知識を持つことを願っています。
津本幸司
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