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【簡単】ギタリストのコンプレッサー活用術!

コンプレッサー

コンプって呼ばれるエフェクターはなんとなく知ってるし、エフェクト・ペダルにもあるけど、DTMとかでパソコンで使うらしい・・・何がなんだか・・・よし!調べよう・・・FET?VCA?OPT?スレッショルド?リリース?なんのこっちゃ・・・。
お気持ち分かります。

心配無用です。

この記事を読んだら、初心者やエンジニアリングに詳しくないギタリストでも簡単にDTMソフトなどのコンプレッサーを活用できるようになりますよ。

コンプレッサーの原理

コンプレッサーの原理は簡単です。「デカい音を小さくする」これだけです。な

なんで小さくするか

なんでデカい音を小さくするかというと、例えばドラムでハイハットが「ツツツツツ」となってて、突然スネアドラムで「タ〜ン!」ってなるとびっくりしますよね。ライブならともかく家でテレビ見てて「ツツツツツ」が聞こえにくいなぁと思って音量上げて、スネアで度肝を抜かれる・・・なんてイヤですよね。このスネアにコンプレッサーを掛けておくと「デカい音を小さくする」ので良い感じにバランスが取れるんです。ギターでも同じ。強く弾いたところだけデカすぎるとか、抑揚がありすぎるのが不要な場合に「デカい音を小さくする」ことで音量感をスムーズにするんです。

コンプの中身

で、「デカい音を小さくする」だけなんですけども、「いつどのように小さくするか」が大事なんです。まぁ、コンプレッサーの中に小っちゃなオッチャンが入ってて、大きな音が入ってきたら音量のレバーをグッと下げる作業をしてると思ったら分かりやすいでしょう。例えば、大きな音が「ジャン!」と入ってきた時にそのオッチャンが即座に反応して音量レバーを下げることも考えられますし、オッチャンが「あ、大きな音が入ってきたな、よっこらしょっ」と言いながらゆっくり立ち上がって音量レバーを下げることも考えられます。その音量レバーを下げるスピードもサッと下げるのか、ゆ〜っくり下げるのかもオッチャン次第です。レバーを下げ切るか、途中まで下げるかもオッチャン次第です。さらに、デカい音が入ってきたからと言って下げた音量レバーをそのままにしておいたら次の音は小さく鳴ってしまいますので、音量レバーを元の位置に戻さなくてはいけません。その作業もすぐにやるオッチャンもいれば、の〜んびり戻すオッチャンもいるわけです。つまりコンプの中にどんなオッチャンが入っているかで音が変わる訳です。

コンプの種類

では、オッチャンの種類を見て行きましょう。超簡単に種類分けすると5種類あります。名前が面倒くさいので覚えなくてもいいです。この記事にたどり着けるようにしておけば大丈夫です。今はオッチャンにカッコイイ名前を付けてあげたと思えば大丈夫です。

VCA

電気的な処理なのでオッチャンが素早くスムーズに動いてくれます。速く動けと言えば速く動きますし、遅く動けと言えば遅く動きます。そして文句一つ言わず(歪んだりもせず)テキパキ動く超優等生のオッチャンです。複数のリズムギターをまとめたトラックに掛けるならこのVCAがオススメです。上記のSSLのバスコンプが有名です。

ダイオード・ブリッジ

最近は使われないのですが、優等生であるVCAオッチャンが高価だった時代に、ちょっとブ〜ブ〜文句言う(歪んでしまう)ダイオードで代用した方式です。そこで、「あ、そうだ!そのブ~ブ~文句言う(歪み)ダイオード・オッチャンでも横にたくさん並べたら優等生と同じ動きするんじゃない?!」と考えついた訳です。天下のルパート・ニーヴさんですね。上記のAPI500シリーズに入るPortico 535が有名です。良くも悪くもちょっとブ〜ブ〜文句言っちゃうところがマニアの心をくすぐるようです。素人さんはあまり手を出さない方がいいでしょう。

FET

このオッチャンは電界効果トランジスタ(FET)のパワーでメッチャ速いんです。デカい音が入ってきたらすぐに下げます。まるで、そのデカい音が入ってくるのを知ってかのように。1176系のコンプレッサーと呼ばれます。カッティングなどでチャカチャカチャカチャカ・ジャ〜ン!と抑揚がいきなりデカくなる場合なんかは便利です。上記のUA1176が有名です。

Optical

このオッチャンはどうやら耳が悪いらしく、音が入ってきたら一度「光」に変換してから「あ、光ったってことは音量下げりゃいいんだな」と言う感じで動くんです。ま、ちょい遅いわけです。だから「アタックが殺されない」という解釈もできるので、掛け録りする人も多いです。さらに、なんとその耳が悪いオッチャンにもワイルド系と上品系がいて、ワイルド系はLA-2A(写真上)、上品系はTUBE-TECH CL1B(写真下)が有名です。ギターのアタックを大事にしたい場合はこのオッチャン達がオススメです。

Tube

このオッチャンの代表格はFairChild670です。「え〜加減にせ〜よ!」と思うくらい、音量レバー下げるの遅いし、戻すのもクソ遅いし、しかもブ~ブ~文句言う(歪む)し、やる気あんのか!という感じです。ま、チューブだししょうがないといえばしょうがない・・・それなのにメチャクチャ高価!(レプリカでも150万円)そして、世界中のミュージシャンやエンジニアの前に、空から魔神が降りてきて「一つだけ好きなコンプレッサーをそなたにくれてやろう」と言われたら、100%全員がFairChild670と言います。そのくらいこの「濃いキャラクター」に取り憑かれるんです。リード・ギターに掛けっぱというのがオススメです。

ちなみに

ちなみに私はFETのUREI1176(会社名が変わるのが面倒くさい・・・)でリードの急激なピークを抑えて、その後にTubeのFairChild660(モノ)で全体をスムーズにして、リズム・ギターにはOpticalのTUBE-TECH CL1Bを掛けるようにしています。私は現役時代にアルバムを作るときはプラグインではなく実機をレンタルしていました。10年以上前ですが1台1日6000円のレンタル料・・・しかもFairChild660なんて台数が少ないからなかなか借りられないんです。「あ、津本さん、FairChild660ですよね?今Sugizoさんが持っていっちゃってるんです・・・」と、面識のないSugizoさんのレコーディングが終わるのを待たなきゃいけないこともありました。

まとめ

今の時代はプラグインが充実してますので、自宅でコンピューターを開いてパッパとお試し頂けるのが良いですね。上記のキャラクターを確認するために掛け録りするのではなくて、一度録音して、そのトラックに特定のコンプレッサーを掛けて別のトラックに録音しなおして違いを聞き比べるといいですよ。恐らく録音波形を見比べても明らかに上記特徴が分かると思います。

エンジニアリングや音響学的なご質問も何なりとトータル・ギター・メソッドで聞きまくって下さい。

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