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ギター教室物語:第二話【有名ギタリストを信じるな】

はじめに

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このストーリーでは悪いギター講師とカモになった生徒とのやり取りに、ツモトコウジがどこからともなく登場し悪いギター講師を懲らしめ、生徒の問題を解決します。

とある街

拓也君:ギター好き20歳
「将来はバンド活動たくさんやりたいな!よし!ギターをマジで練習しよう。どこかに習いに行かないとな!お、雑誌に載ってるギタリスト悪山がYouTubeやってる・・・へぇ、このギタリストって教則本も書いてるんだ。レッスンも随時可能かぁ・・・この人のところがよさそうだな。」

悪山:ギター講師36歳
「そうか、君はプロになりたいんだね。今日から宜しく!」

拓也:「悪山先生、リディアンとは何でしょうか?」

悪山:「君にはまだ早いよ。」

拓也:「カッティングはどうやるんですか?」

悪山:「ピックを力強く握って、腕を思いっきり振るのが決まりだ。」

拓也:「音楽理論は教えてもらえるんでしょうか。」

悪山:「僕もプロだが難しい音楽理論は不要だと言い切れるね。基本の規則だけ覚えるといい」

拓也:「基本の規則とはなんですか?」

悪山:「ブルースはペンタトニック・スケールで弾くとか、ダイアトニック・コードのでの進行にはキーのメジャー・スケール以外は弾いちゃいけないとかだ。」

ツモト:「ちょっと待ったぁ!このギタリストから習うのをすぐに止めなさい!」

拓也:「び、びっくりしたぁ・・・」

悪山:「だ、誰なんだ!?」

ツモト:「申し遅れました。全国の優良ギター教室を作ってきたツモトコウジと申します。」

拓也:「なぜ、この悪山先生のレッスンを止めなきゃいけないんですか?」

ツモト:「このギタリストは何も知らないからです。」

悪山:「し、失礼な!俺は教則本も書いてるし、雑誌にも載ったことがある、YouTubeのチャンネル登録者数も3万人だぞ!」

ツモト:「確かにあたなは小さな世界で人気のあるギタリストなのでしょう。しかし、人を指導する技術は無いに等しい。」

拓也:「なぜですか?さっきから丁寧に教えてくれてますよ?」

ツモト:「リディアンが何か聞いた時に『まだ早い』と逃げましたよね?『これこれこういうものだけど、今この話が分からないならまだ早いかもしれないので、これこれを説明した後のこの時期に説明する』と理由を説明すべきです。そして『カッティングは腕を振るのが決まり』と言ってましたね?奏法に『決まり』は無いんです。さらに、『難しい音楽理論は不要だと言い切れる』そうですね。自分の経験談をあたかも正しい統計分析をしたように言ってはいけません。最後に『基本の規則を覚えるべき』と言いましたよね?音楽理論は『規則ではない』んです。そんな偽物の知識をどこから手に入れたのですか?出身校はどこですか?」

悪山:「うっ・・・せ、専門学校です・・・もう潰れましたが・・・」

ツモト:「そうでしょうね。時代の流れに上手く乗れたのは素晴らしいことでしょう。でも、正しい知識を持たないギタリストがあたかも正しい知識を持っているように振る舞うのは危険な行為です。」

拓也:「あぶねぇ。信じるところだった・・・」

ツモト:「無理もないでしょう。名前を聞いたことがあるというのは偉い人、スゴイ人、正しい人と思ってしまうものなんです。でも今の時代は誰でも教則本が出せる時代、誰でも雑誌に載れる時代、誰でもYouTube動画を投稿できる時代なんです。」

拓也:「ユーチューバーは疑って掛かった方が良いってことですか?」

ツモト:「いや、そうではないですよ。玉石混交、つまり良いギタリストと悪いギタリストが混じってるので慎重に先生を選ぶべきと言うことです。きっちり経歴を調べてから門を叩きましょう。」

おしまい

この物語はフィクション・・・であり続けることを願って。

津本幸司

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