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正しいギターの練習とは(模索遍歴を参考に)

ギターの練習

この記事をお読みになる方はプロ・アマ問わず正しいギターの練習方法を模索してる方でしょう。私のことを知らない方も多いでしょう。私は元プロ・ギタリストです。昔は世界中で演奏していました。プロになる前はアメリカ東海岸の音楽大学を卒業しました。その前はアメリカ西海岸の音楽高校を卒業しました。その前は中東でイランイラク戦争の真っ只中に疎開をしながらギターを独学しました。自慢する経歴など何一つありませんが、「正しいギターの練習とは何か」を人一倍模索して来たことは事実です。この記事では私の模索遍歴とでも言いましょうか、それを紹介したいと思います。

1.言われるがまま

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ギターを本格的に手にしたのは中学生の頃です。小学生の頃からピアノを習っていました。ピアノの世界では「どこまでやってる?」という言葉あるようにハノンやバイエルなどの定番教則本が存在し、この教則本の次はこの教則本、それが終わればこの曲やあの曲といったある程度定番の道筋まであるんです。ギターにそれがあると思い込んでいました。しかし、インターネットのない時代、一人で中東にいるとそんな情報入ってくるはずありません。存在するか、しないかの情報も入ってこなかったのです。当然存在しませんが、それも知ることはできませんでした。そこで辿り着いたのが「少しでも知識を持ってる人がいたらその人に教えを請うて、そのまま練習する」という方法でした。父親、母親、学校の先生、近所のひげもじゃの中東のおっさんまでちょっとでも音楽知識がありそうなら、教えを請いました。そして言われるがまま練習してました。それが正しかったのかどうかは今でもわかりません。

2.基礎を固めて夢を追う

f:id:totalguitarmethod:20211223145126p:plainロスの音楽高校の頃はピアノ、フルート、サックス、声楽、ギター、作曲、編曲のどのみちに行こうか悩みながら、運動と勉強も得意でしたのでアスリートや心理学者を目指すべきかパニックになった時期でした。ギターの練習をするときは、どの道に向かっても大丈夫なように音楽の基礎を固めるのが良いと考え、アルバイトでお金を貯めては教則本を買いその通りに練習する日々でした。当時はどの教則本もただスケールとコードが並んでいるだけでしたが、それが基礎なんだと思いそればかりを練習していました。同時にこんな風に弾きたいと思ったギタリストをマネしていました。今となっては友達ですが、ポール・ギルバートもその一人です。基礎と夢追い練習が正しかったのかどうか今でも分かりません。

3.音楽理論が全て

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体系的なギター練習法が開発されていない中、筋の通った音楽学習を探すと音楽理論にぶち当たります。日本語ではまともな音楽理論教材はなかったのでアメリカで音楽理論書をクラシック、ジャズ問わず勉強しまくりました。それがきっと演奏に反映されるんだと信じていました。これが正しいかどうかも分かりません。

4.システムに出会う

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ロスの音楽高校では理論学習が功を奏して飛び級で卒業し、同時に数々の音楽賞を貰いました。バークリー音楽大学にも合格し、そこで体系化されたシステムに出会いました。「このレールに沿って練習すれば音楽人生安泰だ」と思い込んでいました。この安堵が正しかったのかどうか今でも分かりません。

5.師匠に出会う

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1994年、バークリー音楽大学教授のジョン・フィン氏の演奏を聴いて衝撃を受け、門下入りしました。バークリーの体系化された音楽学習システムとは異なった練習方法でした。

6.矛盾に悩む

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信頼するシステムと信頼する師匠の意見が食い違うと混乱しました。悩んだあげく1995年コーチの門を叩きました。音楽は全く関係ないトニー・ロビンズという人です。当時は深夜のテレビで怪しげなカセットテープのセットを販売する人としか知られていませんでしたが、助けを求めました。「どちらが正しいのか?」この問い自体が間違いであると教えられました。「どちらも正解と言うのか?」この問いも却下でした。Ask and You Shall Recieveの意味を1週間かけて考えろという課題を貰いました。

7.師匠一本に絞る

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首席卒業が決定した瞬間、西洋史の授業1単位だけをわざと残して、わざと退学しました。師匠への忠誠心を表現したかったのです。未だにバークリーで語り草になるこのエピソード。正しかったのかどうか分かりません。(プロになった後すぐ復学し単位を取り首席卒業の座はもらいました)睡眠時間以外は師匠の仕事の曲を完全に複製できるようにしました。つまり師匠のクローンになろうとしました。師匠のおこぼれ仕事が殺到したのは想像に難くないでしょう。

8.意識朦朧の中

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練習続きで意識朦朧とするなか深夜にダイエット番組があり高額なダイエットプログラムのカセットテープ一式、記録ノート一式、栄養食品一式の通信販売を目にしてハッと思い購入しました。ダイエットは不要でしたが、システムに惹かれました。見事に体系化されたシステムです。これを元にギター練習システムが作れないか試行錯誤を繰り返しました。

9.プロトタイプ完成

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体系的ギター練習方法のプロトタイプが完成しました。1997年に師匠達、バークリーの教授達に意見をもらい、改良を重ねて、後輩で実際に試しました。驚く効果がありました。大絶賛でした。私自身その方法で練習をしてブロードウェイでの日本人初のギタリストになり、テレビやメディアに引っ張りだこでした。

10.発売

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日本に帰国してソロ・ギタリストとして異例のワーナーミュージックからメジャー・デビューをした後、早速そのシステムを書籍化しました。これが「ギタリスト養成講座」シリーズです。2001年にとんでもないベストセラーになりました。私は今でもこれが正しい練習方法だと思っています。そしてそう感じているギタリストが多数いるだけでなく、その練習方法を経て素晴らしいギタリストになった方もたくさんいます。つまり証明されているわけです。

11.世界中から依頼が殺到

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当然、世界中の教育機関から指導の依頼が殺到します。私は世界中を飛び回って指導方法を指導しました。そう、生徒を指導するのではなくて、先生達の指導をして回ったわけです。

12.時代は変わる

f:id:totalguitarmethod:20211223150448p:plain時代は変わり、生活様式、社会活動、音楽活動はもちろん、ギターの練習方法も多様化の時代になりました。今の時代に合う完璧に体系化されたギター練習システムはないか・・・考えました。答えは「ない」でした。ならば作れば良いと思い2017年から2年掛けて制作しました。それがトータル・ギター・メソッドです。今の段階でこれに勝るギター練習方法はないと自負しています。

津本幸司

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