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自分の演奏を売るギタリストが大切にしたいこと

キュッパ

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ばあちゃんに抱かれる私

980円ってよく見る値段ですよね。20円足したら1,000円です。「安く見せようとそんなコトしたって無駄だよ!」とか思っちゃいます。実は、行動心理学上これはスゴク意味がある事なんです。だからいまだにどこ行っても2,980円とか4,980円とかなんです。
でも私達ギタリストはお客様の購買意欲をくすぐって自分の演奏を売ってるわけではありません。行動心理学をそっちのけで20円でもいいのでお安く提供しましょう。
「テメー、レッスンで3万とか取って、振込手数料もこっちに持たせるヤツが何言ってんだよ!」と思いますよね。

心配無用です。

この記事を読んだら20円お安く提供する大切さが分かりますよ。

津本靴店

津本靴店は30年ほど前まで大阪の弁天町の大通にあった小さな靴屋です。ばあちゃんが経営していました。私の祖父は私の父が小さいときに他界しているので、女手1つで靴屋をやって子供3人を大学に行かせて・・・とやったわけです。決して大きな靴屋ではありません。唯一の大きな商売といえば年に1度近所の幼稚園の上履きを販売することでした。

私が小学生の頃、4月初頭ばあちゃんの手伝いで幼稚園に上履きを売りに行きました。2日連続の販売でした。1日目にばあちゃんはカートに上履きを大量に積んで他のおつりなどの荷物も積んでゴロゴロと押して行きました。私はテクテクついて行きました。到着すると結構大きな幼稚園でした。販売開始と同時にお母様達が列を作ります。サイズを確認してばあちゃんが上履きを手渡します。上履きの値段は

980円

私はお母様方から千円札を受け取って20円のおつりを渡す係でした。小学生の私は最初は面白かったのですが途中で飽きてきました。そしてお母様達が数人でこうつぶやいていました。

「どうせ規則で買わなきゃいけないんだから、980円じゃなくて1,000円でいいよね〜。」
「確かに〜面倒やね~。」

これを聞いた私は小学生ながら

「同感・・・」

と思っていました。僕はばあちゃんに

「なんで980円?」

と聞きました。ばあちゃんは

「商売っていうのはこの20円でも安くお渡ししようという気持ちが大切なんやで」

と言いました。私は「なんのこっちゃ」と思っていました。

2日目

二日目は荷物がありません。持って行くのはおつりの10円玉だけです。ばあちゃんは一緒に幼稚園に行く際に、大量に10円玉が入った箱を私に持って行くように言いました。私は「は〜い」と言って持って行きました。これが重いのなんの・・・重そうに歩く私をばあちゃんは手伝ってくれません。幼稚園に着いた頃にはヘトヘトでした。そして一言

「幸司君・・・
   20円って・・・
      重いでしょ」

お分かりでしょう。ばあちゃんは20円でも安くお渡ししようという気持ちの大切さを「重さ」で教えようとしてくれたんです。ばあちゃんは10年数年前に他界しましたが、この思い出は毎回筋トレで上腕二頭筋を鍛える度に思い出します。

ギタリストは

CDやチケットなど自分の演奏を商品化して、自分で値段を付けられるものがあれば20円でも安く提供しようと心がけて下さい。行動心理学もへったくれも要りません。

「1,000円で売るより、980円にした方が買うヤツ多そうだよな!」

と、思って売るのと

「1,000円の商品を20円でも安くお客様にお届けしたい」

と、思って売るのとでは「重さ」が違うと言うことです。

まとめ

本日2019年4月26日は私、津本幸司に取って記念すべき日です。今まで20年以上レコード会社、出版社、制作会社などの商品を作って売って貰っていました。当然価格決定はできませんでした。しかし、この度は私、津本幸司自身が教材商品を作って、私の会社で販売します。売りつけようなんていう思いは津本靴店の血を引いている私にはありません。最高の商品を少しでもお安くお届けしたいと考えています。ばあちゃんからの教えです。20円の10倍の200円引きました。

49,800円の商品です。

津本幸司