世界標準の耳

日本の音楽家は、ヘッドホン選びで最初から間違えます。日本ではソニーMDR-CD900STを標準機として扱います。もちろん日本の録音現場では使われています。筆者も否定しません。しかし、世界に出たいなら話は別です。世界の音楽家、エンジニア、教育機関、スタジオの基準で考えるなら、AKGのK240を持つべきです。
学生時代
筆者は学生時代からAKG K240を使っています。バークリー音楽大学時代も、アメリカの現場でも、これで自分の耳を作りました。耳というのは、好きな音を探す器官ではありません。判断基準を作る器官です。ギターの音量、歪み量、空間処理、ピッキングの不要な成分、コードの密度、ベースとの干渉。そうした項目を、毎日同じ条件で確認するためにK240を使ってきました。
日本だけ
日本人が世界に出られない理由は、英語力だけではありません。耳の基準を日本国内に閉じ込めているからです。日本のスタジオだけで通じるヘッドホンを絶対視して、「これがプロの音だ」と思っている時点で、世界の判断基準から外れます。ソニーだけで世界を測ろうとするから、日本人ギタリストは海外で勝負できないのです。
K240
AKG K240はセミ・オープン型です。密閉型のように耳の中だけで完結しません。長時間の練習、録音確認、ミックス前の素材確認に使うと、演奏と録音物の関係を確認できます。ヘッドホンで派手に聞かせるための道具ではありません。自分の演奏が録音物として成立しているかを確認するための道具です。
呼ばれた理由
筆者が世界から呼ばれたのは、速く弾けたからだけではありません。現場で通じる耳を持っていたからです。相手が何を聞いているか、どの周波数帯で問題を指摘しているか、モニター上で何を確認しているか。そこを共有できたから、アメリカでも仕事になりました。その土台の一つがK240です。
買うべき人
ギターが上手くなりたい人は、まずヘッドホンを変えるべきです。高いギターを買う前に、判断基準を作る道具を買うべきです。日本の標準だけで満足する人はMDR-CD900STで構いません。世界に出たい人、海外の音楽家と同じ基準で自分の演奏を確認したい人は、AKG K240を買ってください。世界で音楽を判断するための入口です。

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