結論
経済的に不安を感じる理由はヴェイグ・フィア(曖昧な恐怖)があるからです。恐怖の内容が曖昧でもあり、曖昧なこと自体が恐怖でもあります。つまり、何が不安か分からないのです。経済的にいつ、何に、いくら必要で、現状だとどのくらい足りないか、どのくらいの行動が必要かというのが明確になればその恐怖は消えます。これは計算することで可能です。
計算⑴
まず、現状が続くと仮定して、平均寿命までにあとどのくらい稼げるかを計算してください。お勤めの方は「賃金テーブル」で検索すればある程度把握できます。自営業、専業音楽家の方は今年の状態がずっと続くと仮定して計算してください。正確な数値である必要はありません。
計算⑵
次に、個人の大きな出費を計算します。住宅費、教育費、老後資金の三つです。家賃やローンを幾らずつ払い続けるか、音楽や自己成長を含む自分の教育費にどのくらいかかるか、老後資金としてどのくらい貯蓄するかをザッと計算してください。
計算⑶
ここで家族の大きな出費を計算します。お子さんの教育費、ご両親の介護費、ご家族の医療費などを最悪のシナリオで計算します。縁起でもないと思うかもしれませんが、最悪を想定することが安心に繋がります。小学生のお子さんがいるなら、中高大を私立に行くと想定し、ご両親が要介護になり、ご家族が難病にかかるという想定で丁度いいでしょう。
お知らせ
途中ですが、この記事はこの本の11章からの抜粋です。是非お手に取って頂けると鼻水垂らしながら喜びます!
計算⑷
生活維持費を計算します。食費、通信費、光熱費、保険料、娯楽費など、通常の家計簿を付ける要領で計算してください。
計算⑸
音楽上の出費を計算します。これが私達音楽家に必要な計算です。大袈裟な例だと、高級なヴァイオリンが欲しい、高級なピアノが欲しい、個人スタジオを建てたい、バークリー音楽大学に入学したいなど、どれも数千万円コースです。ここまで行かなくとも、管楽器用のマウスピース、ギターの弦、譜面、録音機材、コンピューターなどの、細かい出費が私達音楽家には付きまといます。これは避けられませんので計算してください。ちなみに、音楽鑑賞、映画鑑賞、絵画鑑賞の費用も含みます。
まとめ
この5項目を計算するとヴェイグ・フィア(曖昧な恐怖)からシュア・フィア(確実な恐怖)に変わります。見たくない、知りたくない、感じたくない恐怖です。必ず「曖昧にしておいた方がマシだった」と精神的に落ち込みます。しかし、この計算をするからこそ、どれだけ自分がヤバい状態で、資産形成がどれだけ緊急に対応すべきことかが分かるのです。これにより、金融リテラシーを上げて行動する自分に生まれ変われるのです。
以上を踏まえて一緒に資産形成するギタリストを目指そうではありませんか!
最後までお読み頂きありがとうございます。
津本幸司
こちらでお目にかかれることを心待ちにしています。