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【レ・ミゼラブル】音楽家は10回読むべき

レ・ミゼラブル

レ・ミゼラブルって知ってますか?

こう聞くとみんな「はい」と答えます。そして、読んだことあるかと聞くと「いいえ」と答えます。恐らく映画とかYouTubeの舞台とかを見たんでしょう。それは「知らない」と同義です。音楽家は必ず読まなくてはいけません。このくらいの古くて有名な作品だと日本語訳でも十分です。

フランス文学

フランス文学の特徴や思想や社会背景などを知らないと読んでもしょうがないんです。いきなりレ・ミゼラブルから始めるのははっきりいってオススメではありません。星の王子さまのような簡単なフランス文学から徐々に体を慣らして下さい。

世界史・文化史・音楽史

世界史を知らずしてレ・ミゼラブルなんて読んでも無意味です。文学を含む文化の歴史はもちろん、音楽史との絡みが分かると「ロマン派文学・ロマン派音楽」の沼にどっぷり浸かることができます。

現代の音楽史

なぜレ・ミゼラブルがミュージカルと映画で大ヒットしているのかは、現代の音楽史の解釈なしでは分かりません。調べて下さい。

順番

いきなり本を読むのが難しい人は、まず日本語のミュージカルでも観て下さい。その次に2012年の映画(ヒュー・ジャックマン、ラッセル・クロウなど出演)を観て下さい。そして、本を読むと分かりやすいです。

10回は読む

解説は他のマニアに任せるとして、音楽家は最低10回は読んでください。私も中学校の租界時に(イラン・イラク戦争の真っ最中にイランに住んでたので、ロンドンやパリに疎開してました)何度も読みました。もちろん、ロンドンのウエストエンド、ニューヨークのブロードウェイのミュージカルも何度も観ました。

10回読む理由

10回以上読む必要があるのはすべての登場人物を主役と考えて、その視点で読めるからです。例えば、罪人の子である警官の視点で見るとあるまじき行為を、母親が死んだ16歳の女の子の視点で見るとロマンチック・ストーリーになり、里親視点で見ると涙の物語になるんです。

この不思議なカラクリに気付いている音楽家が少ないのが残念です。

ヴィクトル・ユーゴーの文学マジックは恐ろしいテクニックですよ。

できれば最後にキリスト教の理念をどのように文学に反映しているかまで考えられれば、旅先にレミゼ本を持って行く私達の気持ちが分かると思います。(私は無宗教です)

ゴール

男性の音楽家のゴールはレ・ミゼラブルを比喩として女性と会話ができることです。

「君のことをコゼットだと思っていたけど、エポニーヌのような姿に驚いたよ」

「ファンティーヌじゃないんだから、出会いに気を付けて」

「まだ24601だけど、マドレーヌになる日は近い」

これを言った相手が

「は?」

なら、捨てればオーケーです。

まとめ

レ・ミゼラブルはとにかく「読んで」下さい。10回目に悟(さとり)が開けると思いますよ。

津本幸司(he/him)

個人的にはこの永山篤一さんの訳が最もストレートだと思います。他の訳者さんも素敵です。ただ、要約本は意味ないのでご注意を。