哀愁のジャズ・スタンダード
前置き無しで哀愁のジャズ・スタンダードを3つご紹介します。
ビューティフル・ラブ
ジャズ・スタンダードのAから始まる曲がAutumn Leaves(枯葉)ならば、Bから始まる曲はBeautiful Loveと言われるくらいの有名曲です。
この曲の特徴はなんと言っても最初のコード。キーの7番目のコードであるm7♭5から始まるんです。多くの場合キー=F(Dm)で演奏しますので、Em7♭5から始まることになります。不安定なコードから始まるのって難しいですよね。でも、これが哀愁漂う雰囲気を作ってるんです。
オススメはもちろんビル・エヴァンス(ピアノ)。
ララバイ・オブ・バードランド
【ジャズ】+【ニューヨーク】+【マフィア】=【哀愁】
こんな数式を作りたくなるのは私だけではないと思います。ジャズと言えばニューヨーク、ニューヨークのジャズ・クラブと言えばオーナーがマフィア、金持ちのマフィアが自分のために曲を書かせることもありました。この曲もバードランドというジャズクラブのオーナーのマフィアのためにあのジョージ・シェアリングが書いた曲です。サブスティテュート・ドミナント(D♭7)の登場の仕方が、なんとも哀愁を漂わせてくれます。
オススメはサラ・ヴォーン(歌手)、歌詞もなんとも哀愁漂いますのでご一緒に聞いて下さい。
ディア・オールド・ストックホルム
スウェーデンの民謡なんですが、マイルス・デイヴィス始め多くのジャズ・ミュージシャンが演奏している曲です。民謡特有の、北欧特有の、あの単純な期待通りのメロディが「スルッと」心に響きます。
オススメはポール・チェンバース(ベーシスト)のアルバム。ギターを弾いているのはケニー・バレルです。【哀愁】+【ケニー】=【最強】です。
まとめ
この3曲は個人的にもお気に入りで毎月のお忍びライブでも必ず演奏しています。是非聞いてみて下さい。もちろん、トータル・ギター・メソッドにも分析済みのコード進行を載せていますので中・上級者の方は参考にして下さい。