そもそも速弾きってなんなんでしょうか?
わからないですよね。
初心者の方に「速弾き教えて下さい!」とよく言われます。
心配無用です。
この記事を読んだら速弾きに対する正しい考え方が身に付きますよ。
結論
速弾きなんて存在しません。
この言葉は30年前に流行したギター雑誌がきっかけで生まれた言葉でしょう。
「速弾きなんて存在しないと津本幸司が言い切ってやがった!」
と悪口を書いて頂いても結構です。
断言します。
根拠
18世紀からすでに「超絶技巧」と呼ばれる演奏は存在していました。
超絶技巧なら分かります。
なんですか?速弾きって?
「速く弾くことだろ!」
と言われるかもしれません。
では、テンポいくつの何音符からが速弾き?
定義付けできませんよね。
速さとは
速弾きで言う、ピッキングの「速さ」とは2つ以上のピッキングの時間間隔の短さを指します。
これは数値化できます。
従って、2音を同時に弾くことが「最も速い」ことになります。
「そりゃそうだけどさぁ・・・」
と思うでしょう。
1つ目の音を弾いてから2つ目の音を弾くまでの時間が1秒だったら「速弾き」とはいいませんよね。
「あたりまえだろ・・・」
果たしてそうでしょうか?
ゾウさんのようにおっとりゆっくりの~んびり暮らしている人にとってみたら1秒おきのピッキングは「速弾き」かもしれませんよ。
じゃあどこからが速くてどこからが遅いのか・・・
論争を繰り広げるなら特殊相対性理論まで持ち出して議論を膨らませそうな予感もしますね。
早い話が「速弾きなんて人の感じ方一つなんです」
圧力鍋のコマ
圧力鍋のコマは鍋の圧力が上がると速く動き始めます。
「あなた!圧力鍋のコマが速く動き始めたら火を止めといて!」
と家内に言われて、鍋を見てました
「コットン!コットン!コットコット!コトコト!コロコロ!カラカラ!カラララララッ!」
私は1人で「おいおい、、、ど、どこからが速いんだ~?!」
キッチンであたふたしてしまいました。
「速さなんて人の感じ方一つなんです」
人の感じ方も時代で変わる
リッチー・ブラックモアなんてすっごい速弾きギタリストとして知られてたんですよ。エリック・クラプトンもそうです。
すごいギタリストであることには変わりありませんが、今聞くと大して速いとは思いませんよね。
「速さの人の感じ方なんてコロコロ変わるんです」
どうして速弾きなんて存在しないと主張したいか
この「速弾き」言葉を使っている初心者ギタリストの多くが「速く弾く」と言いながら「グチャグチャ」弾いています。
これではいつまでたっても上手くならないんです。
それどころか下手になります。
ギターの演奏は最速記録で賞金がもらえるスポーツではありません。
私達が求めるのは
「どんなテンポでも、どんな音価でも、どんなリズムであっても正確にピッキングできること」
です。
それが例え速いテンポになっても将来的にできる必要があるでしょう。
しかし、先に「正確」に弾けてから「速さ」です。
「速さ」の後に「正確」を求めるのは順序が違います。
いろんな感じ方があり、時代によっても変わる「速さ」を追い求めるほど馬鹿げた話はないでしょう。
まとめ
速弾きなんて存在しません。
速さを求めずに「正確性」を求めて下さい。
初心者の方の考え方が正しくなることを願って。
津本幸司
「正確」に弾けてから「速さ」が磨けるトータル・ギター・メソッド