チューニング
サウンドハウスで見る
どんなギタリストでも必ず行うチューニング。この時に言ってはいけないことや、やってはいけない事があるんです。それやる人はギタリスト失格です。もし、自分がやってたらどうしよう・・・。不安ですよね。
心配無用です。
恐らく全員一度はやったことがあります。でも、この記事を読んだらチューニング時の禁止事項3選が分かりますよ。
禁止行為その1
【リズム・ギター演奏時のチューニング】
まぁ、多いこと・・・。私達のメインの仕事は伴奏、つまりリズム・ギターです。それなのにギター・ソロの前後にチューニングするギタリストが多いんです。これどういうことかと言うと「人の為に弾いている時は演奏を犠牲にしてまでチューニングをして、自分が目立つギター・ソロの時に備えようとする自分勝手なギタリスト」と言うことです。私は東京でISMギタリスト養成所というプロ・ギタリスト育成機関を運営していますが、この行為をやるギタリストは即退会して頂いています。厳しいようですが「プロ音楽家になるための資質と理念」の問題です。演奏技術の問題ではありません。退会させられたギタリストは「なぜ退会させられたか」気付いてないのがほとんどです。そりゃそうです。気付く人ならそもそもこんな行為やりません。ただし、これはISMギタリスト養成所というプロ育成機関での話です。ここまで厳しくする必要ありませんが、アマチュアの方も「自分のソロの時に演奏を犠牲にしてチューニングすることはあっても、人の伴奏している時はダメだな」と考えるべきです。
禁止行為その2
【チューニングが狂ってることを指摘されたら「このギター3弦が狂いやすいんです」と言うこと】
何人見てきたことか・・・。まず、他人に指摘される段階で終わってます。さらに、モノのせいにしてる段階で終わってます。さらにそれを「知っている」事として発言していることで終わってます。さらにそれを「しょうがないこと」として言い訳してることで終わってます。もうこれだけ終わればゾンビでも生き返ることは無理でしょう。
そもそも、3弦が狂いやすいギターなんてないんです。これ思い込みです。心理学的な話は止めておきます。ただの先入観です。
万が一、本当に3弦が狂いやすいギターだとしたら、人一倍3弦のチューニングが狂ってないか注意すべきでしょう。他人に気付かれることのないようにすべきです。自分の楽器は自分で管理しましょう。
味覚に置き換えましょう
例えば、レストランで出てきたハンバーグの真ん中に火が通ってなかったとしましょう。それをシェフに文句言ったら
「あ、このフライパン真ん中は火が通りにくいんです」
と言われたらどうでしょうか?「そんなもん知るか、それなんとかするのがオマエの仕事だろ」と思いますよね。
視覚に置き換えましょう
例えば、カメラマンが撮った風景写真に無意味なピンボケがあったとしましょう。それをカメラマンに指摘したら
「あ、このカメラ100メートル先はボケやすいんです」
と言われたらどうでしょうか?「そんなもん知るか、それなんとかするのがオマエの仕事だろ」と思いますよね。
聴覚に戻しましょう
ギタリストが弾いた音にチューニングが合ってない弦があったとします。それをギタリストに指摘したら
「あ、このギター3弦が狂いやすいんです」
と言われたらどうでしょうか?
分かりますよね。
禁止行為その3
【チューニングが狂ってることを指摘されたら「新しい弦です」と言うこと】
これ・・・最悪です。バークリー音楽大学の教員室でもランチタイムの雑談で「ダメ学生あるある」としてよく話します。替えたばかりの「新しい弦」があたかもチューニングが狂ってることの言い訳として成立するかのように考えてしまってるからです。これを言うギタリストは「弦を替えたばかりだからチューニングが狂うのは仕方がないことであり、自分は悪くない、悪いのは新しい弦」と主張してるわけです。このような考え方のギタリストは、「ギタリストとして」ではなく「人として」終わってます。
「そんな大げさな!」と思うでしょ?
じゃあ・・・
味覚に置き換えましょう
例えば、レストランで出てきたハンバーグに火が通ってなかったとしましょう。それをシェフに文句言ったら
「新しいフライパンです」
シェフ失格以前に、こんなこと言うなんて「人として」終わってますよね。
視覚に置き換えましょう
例えば、カメラマンが撮った風景写真がピンボケしてたとしましょう。それをカメラマンに指摘したら
「新しいレンズです」
カメラマン失格以前に、こんなこと言うなんて「人として」終わってますよね。
聴覚に戻しましょう
ギタリストが弾いた音にチューニングが狂ってたとします。それをギタリストに指摘したら
「新しい弦です」
分かりますよね。
まとめ
チューニング時の禁止事項3選でした。ご安心下さい、この厳しさはバークリー音楽大学や私が運営するプロ育成機関のISMギタリスト養成所限定での話です。アマチュアの方がバンドでワイワイやる時はあまり気にしなくてもいいのではないでしょうか。(ただし、相手がこの記事を読んでないことを確認しておいてください)
紳士的なギタリストが増えることを願って
津本幸司
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