留学するべき?
「ギタリストで成功するためには本場のアメリカで勉強するべきでしょうか?」という質問を頂きました。
音楽留学ってかっこいいですよね。でもお金もかかるし、英語もしゃべれないし、やっていけるかどうか分からない。でも、活躍している人を見たら海外に行ってた人が多いような気がする・・・どうしよう・・・
さて、ギタリストにとって音楽留学って必要なんでしょうか?
心配無用です。
この記事を読んだらギタリストの自分にとって海外留学が必要かどうかが分かりますよ。
まず考え方が間違っています
そもそも「ギタリストで成功するためには本場のアメリカで勉強するべきでしょうか?」と聞くこと自体間違っています。
この質問者さんの頭の中では、因果と相関がめちゃくちゃです。そしてそのデータの標本数が少なすぎることに気付いていません。
統計学的な難しい話ではありません
この質問者さんの考えを大げさに例えると、
成功しているギタリストがこぞってラーメンを食べているのを知ったら
「ギタリストで成功するためにはラーメンを食べるべきでしょうか?」
と、聞いていることになります。
因果とは原因があって結果があることです。相関とは関係があることです。
ラーメンを食べる = ギタリストで成功できる
でないことは分かると思います。食べるべきだ思う人は、相関(ラーメンを食べているギタリストが多い事実を示すデータ)をみて因果関係(ギタリストで成功したという結果)が引き起こされてると勘違いしているわけです。
でも
アメリカ留学をする = ギタリストで成功できる
になると「信じたく」なるんです。相関(海外留学しているギタリストが多い事実を示すデータ)を見て、因果関係(ギタリストで成功したという結果)が引き起こされてると勘違いしているだけなのに。
留学して成功する人
留学して成功する人は留学なんてしなくても成功します。成功しない人は留学しても成功しません。留学が成功の原因になることはないと考えて下さい。もし、留学が成功の原因になるのであれば、学習や練習そっちのけでバイトして留学の費用を稼いだ方が成功する確率が上がることになります。そんな馬鹿げたことありませんよね。
私が行ったバークリー音楽大学では1994年当時、日本人が300人いました。99%の人が日本人同士でつるんでいました。当時の同期のほとんどが文化的な刺激も受けずただ卒業して日本に帰国して細々と暮らしています。
1996年当時、日本人ギタリストでニューヨークを含む東海岸で新聞や雑誌の相手にされていたのはトモ藤田さんと私だけでした。日本人とつるむことなく、練習室にこもって必死で練習し勉強していました。
(1994年当時)
バークリー音楽大学はその後もたくさんの素晴らしいギタリストを輩出していいますが、彼らはみんな同じ事をいいます。
「バークリーで素晴らしい先生や仲間と出会い環境に恵まれた」
しかし、続けてみんな同じ事を言います
「別にバークリーに行かなくても今の自分になっていた」
と、同期であるジョン・メイヤーも、先輩であるドリームシアターというバンドのジョン・ペトルーシも言っています。学校は違いますが、私と親しいポール・ギルバートもそう言います。
日本人でアメリカの音楽大学を卒業してプロで活躍している方々も皆「必死で練習」したんです。それだけです。
お金がないのに無理して留学する必要はありません。
まとめ
アメリカに行くから成功するのではありません。留学して成功する人は留学なんてしなくても成功します。成功しない人は留学しても成功しません。「必死で練習」する以外の方法はないんです。
頑張って下さい。応援しています。
津本幸司
私がバークリーと藝大で培った全てをメソッド化しましたトータル・ギター・メソッド