ギタリスト専用ブログ

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【ビブラートの掛け方】今さら聞けないシリーズ

ビブラート

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「ビブラートってどうやるの?」って今さら聞けないですよね。

心配無用です。

この記事を読んだらビブラートの掛け方が何か分かりますよ。

方法

エレクトリック・ギターのビブラートは「小さなチョーキングを繰り返すように」音を揺らします。

方向

上下どちらでも構いませんが、当然1弦は上方向、6弦は下方向に弦を曲げます。

注意

普通にフレットを押さえている時間の方がピッチを上げている時間よりも長くなるようにして下さい。ピッチを上げている時間の方が長くなってしまうと音痴に聞こえてしまいます。

種類

種類がいっぱいあるんです。トータル・ギター・メソッドでは最初に次の4種類をマスターしてもらっています。

  1. 浅いビブラート
  2. 深いビブラート
  3. 速いビブラート
  4. 遅いビブラート

組み合わせ

次に上記を元に4種類の組み合わせを練習して頂いています。

  1. 浅く速い
  2. 浅く遅い
  3. 深く速い
  4. 深く遅い

徐々に変化

上級者の方には上記の組み合わせを元に徐々に変化させるビブラートを練習して頂いています。例えば

  • 浅く速い→浅く遅い
  • 浅く遅い→浅く速い
  • 深く速い→深く遅い
  • 深く遅い→深く速い
  • 浅く速い→深く速い
  • 浅く遅い→深く遅い
  • 深く速い→浅く速い
  • 深く遅い→浅く遅い
  • 浅く遅い→深く速い
  • 深く遅い→浅く速い

さらに、

浅く遅い→深く速い→浅く速い

などの組み合わせを考え始めるとキリがない組み合わせが生まれます。

しかし、ビブラートの深さとスピードを変化させる練習は、思い描いたビブラートを表現できるようになるための重要な練習です。

まとめ

ビブラートとは、「小さなチョーキングを繰り返すように」音を揺らすことです。たくさんの種類を練習してください。

津本幸司

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【スライドとは】今さら聞けないシリーズ

スライド

「スライドって何?」って今さら聞けないですよね。

心配無用です。

この記事を読んだらスライドが何か分かりますよ。

スライドの定義

特定のフレットを押さえて弦を弾いてから、振動を保ちながら押弦した指を別のフレットにずらすことです。

例えば

例えば、1弦5フレットを弾いてから、その振動を保ちながら7フレットまで指をずらすのがスライドです。この場合は最初に押さえたフレットより高く移動していますので「スライド・アップ」と呼びます。それとは反対に低いフレットまでずらすのは「スライド・ダウン」と呼びます。

具体例

この譜例はトータル・ギター・メソッドのテクニック編T025とT026から、ほんの少しずつ抜粋したものです。Slideの頭文字である「S」がスライドのマークです。

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3弦5フレットを人差し指で押さえて、7フレットまでスライド・アップします。続いて2弦6フレットを中指で押さえて8フレットまでスライド・アップします

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2弦6フレットを薬指で押さえて5フレットまでスライド・ダウンします。

注意点

2つの注意点があります。

1つ目は「素早くスライドすること」です。1、2フレット分のスライドならともかく、4,5フレット分のスライドになるとリズムが遅れてしまいますので注意して下さい。

2つ目は「親指の位置を固定すること」です。長距離の場合はしょうがないのですが、1、2フレット分のスライドの場合はなるべく親指を固定しましょう。「支点」がない状態でスライドするのは難しいですからね。親指の位置はお好みに合わせてネックの裏でも、ネックの上でもいいでしょう。

以下はトータル・ギター・メソッド内のスライド解説の写真の一部です。親指の位置が固定されているのがわかるでしょうか。

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まとめ

スライドとは、特定のフレットを押さえて弦を弾いてから、振動を保ちながら押弦した指を別のフレットにずらすことです。スライド・アップとスライド・ダウンがあります。注意点は「素早くスライドすること」と、なるべく「親指の位置を固定すること」です。

頑張るギタリストを応援しています。

津本幸司

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【チョーキングの種類】今さら聞けないシリーズ

チョーキング

チョーキングにもたくさん種類があるんです。今さら聞けないですよね。

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心配無用です。

この記事を読んだらチョーキングの種類が分かりますよ。

①全音チョーキング

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トータル・ギター・メソッドのテクニック編017から抜粋

普通のチョーキングです。

②半音チョーキング

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トータル・ギター・メソッドのテクニック編018から抜粋

文字通り半音だけチョーキングします。Half Chokingの頭文字を取って「H.C.」と記載されます。ハンマリング・オンの「H」と紛らわしいので注意して下さい。

③チョーク・アップ

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トータル・ギター・メソッドのテクニック編019から抜粋

弾いてから弦を曲げるのではなくて、弦を曲げてから弾きます。ピッチがちゃんと上がり切っているか確認ができないので熟達度が露呈する技術です。
Upの「U」のマークで記載されます。

④ハーフ・チョーク・アップ

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トータル・ギター・メソッドのテクニック編019から抜粋

これも弾いてから弦を半音分曲げるのではなくて、弦を半音分だけ曲げてから弾きます。HarfとUpの頭文字で「H.U.」と記載されます。

⑤チョーク・ダウン

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トータル・ギター・メソッドのテクニック編020から抜粋

チョーキングした音を元に戻すテクニックです。しばしばチョーキングとセットで使われます。Downの頭文字「D」で記されます。

⑥ポルタメント・チョーキング

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トータル・ギター・メソッドのテクニック編021から抜粋

通常のチョーキングは「サッ」と弦をターゲットのピッチまで曲げるのですが、このポルタメント・チョーキングはたっぷり時間を掛けて弦を曲げてターゲットのピッチまで到達させます。「Port.C.」と記載されます。

⑦ハーモナイズド・チョーキング

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トータル・ギター・メソッドのテクニック編021から抜粋

記載されるマークは「C」だけなのですが、ハーモナイズド・チョーキングでは同時に他の弦も弾きます。最も多いのがユニゾン(同じ音程)を弾く方法です。譜例の場合2弦15フレットのD音をチョーキングしてE音を鳴らして、同時に1弦12フレットのE音を弾いてユニゾンにしています。

⑧低音チョーキング

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トータル・ギター・メソッドのテクニック編023から抜粋

テクニックの名前ではありませんが、高音と低音では弦のテンション(張力)が異なるため、力の入れ具合が変わります。トータル・ギター・メソッドでは別の技術として練習することをオススメしています。

⑨ダブル・ストップ・チョーキング

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トータル・ギター・メソッドのテクニック編024から抜粋

同時に2本の弦をチョーキングする方法です。記載されるマークは音程によって「C」や「H.C.」になります。正確なピッチを求める場合は少なく、どちらかというと「ちょっとピッチが変化したというニュアンスを出すための技術」として使われることが多いでしょう。

まとめ

チョーキングには、これだけ種類があるんです。私も若い頃はナメていました。20代前半、ニューヨークでのCMレコーディングの時、チョーキングのピッチが悪くて何度もNGテイクを出してしまい、泣きながら何度もリテイクしたのを覚えています。皆さんは私のようにならないように頑張って下さい。

津本幸司

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【チョーキングとは】今さら聞けないシリーズ

チョーキング

今さら「チョーキングって何?どうするの?」って聞けないですよね。

(ちなみに、間違ったやり方をする上級者が多いのが怖いところです)

心配無用です。

この記事を読んだらチョーキングが何か、そしてどうやるかが分かりますよ。

定義

特定のフレットを押さえて弦を弾いてから、上下いずれかに曲げることにより全音上の音を鳴らす方法をチョーキングと呼びます。

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例えば

例えば3弦7フレットのD音を薬指で押さえてピッキングすると同時に弦を1音分上に曲げます。そして、E音を鳴らします。これがチョーキングです。

具体例

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この譜例はトータル・ギター・メソッドのテクニック編T017から1小節抜粋したものです。

1拍目の裏で弾いた3弦7フレットのD音を、もう一度2拍目で弾き直して、チョーキングによりE音を鳴らします。3拍目裏では、弾いた2弦8フレットのG音を、もう一度4拍目で弾き直して、チョーキングによりA音を鳴らします。

Chokingの頭文字である「C」のマークが出てきたらチョーキングすると覚えて下さい。チョーキングは和製英語であり、海外ではベンディング(Bending)と呼びますので、ネット上で転がっている楽譜には「Bend」や「B」のマークが記載されている場合があります。


注意

親指をネックの上に出して、左手の手首をねじるように回転させながら弦を曲げます。指先を伸ばしてはいけません。(これを何人の上級者に注意してきたことか)

チョーキングの利点と欠点

チョーキングの利点はピッチの変化過程を鳴らすことです。欠点は「音痴」になりやすいことです。感覚が掴めるまではチューナーを繋いで練習するのも良いかもしれません。

まとめ

チョーキングとは、特定のフレットを押さえて弦を弾いてから、上下いずれかに曲げることにより全音上の音を鳴らす方法です。

頑張るギタリストを応援しています。

ただし、チョーキングにもたくさん種類がありますので注意して下さい。

津本幸司

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【プリングとは】今さら聞けないシリーズ

プリング

正確には「プリング・オフ」と言います。言い方はともあれ「プリングって何?」って今さら聞けないですよね。

心配無用です。

この記事を読んだらプリング・オフが何か分かりますよ。

結論

特定の弦で1つの音を弾いてから離弦することだけで鳴らす弾き方。

例えば

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例えば、写真のように1弦7フレットを弾いた時に、あらかじめ5フレットを押さえておいて、押さえた7フレットから指を離すことで、ピッキングすることなく5フレットの音を鳴らすのがプリング・オフです。

具体例

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この譜例はトータル・ギター・メソッドのテクニック編T016から1小節抜粋したものです。

最初の3音は、最初から1弦の8、7、5フレットに小指、薬指、人差し指を乗せておき、小指の音をピッキングした後、その弦の振動を保ったまま小指を離します。これがプリング・オフです。

Pulling の頭文字「P」のマークが出てきたらプリング・オフすると覚えて下さい。

注意

この時の注意点として、離弦する指で「引っ掻いて」はいけません。かなり多くのギターの先生(特に英語でギターの勉強をしてこなかった日本人の先生)が「引っ掻いて音を鳴らしましょう!」と教えていらっしゃいます。
あろうことか日本のウィキペディアにもそのように書かれています。(参照しているのが日本人のサイトなので無理はないのですが)これは厳密にはflick-offと呼ばれる技術であり、ヴァイオリンのレフトハンド・ピチカートと同じです。

まぁ、トータル・ギター・メソッドにて正統派のギターを学ぶ私達は、そんな話をしている人達を批判する必要もありません。「よしよし、そうだねぇ」と、笑顔で聞き流してあげましょう。

プリング・オフの利点

プリング・オフをする理由は何でしょうか?それはレガートになるからです。ピッキングによる「ノイズ」がなくなります。

プリング・オフの欠点

欠点としてプリング・オフ後の音はピッキングせずに、1つ前の音の振動を利用するので、どうしても小さくなってしまうんです。具体例の譜例のように2回連続でハンマリング・オンがあると音が消えてしまうこともあります。

だから!

「引っかけて弾こう!」

という人がやたら多いんです。

もし、引っかける方法が正しいなら「高速のハンマリング・オンとプリング・オフの連続」は不可能になるのが分かりますか?

なので、なるべく「素早く」プリング・オフすることで前の音が小さくなり過ぎないように注意しましょう。

まとめ

プリング・オフとは、特定の弦で1つの音を弾いてから離弦することだけで鳴らす弾き方です。利点と欠点を理解して練習頑張って下さい。

頑張るギタリストを応援しています。

津本幸司

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【ハンマリングとは】今さら聞けないシリーズ

ハンマリング

正確には「ハンマリング・オン」と言います。言い方はともあれ「ハンマリングって何?」って今さら聞けないですよね。

心配無用です。

この記事を読んだらハンマリング・オンが何か分かりますよ。

定義

特定の弦で 1 つの音を弾いてから押弦することだけで、ピッキングすることなく音を鳴らす弾き方 。

例えば

例えば1弦5フレットを弾いた後に、7フレットを他の指で「叩くように押さえる」ことだけで、ピッキングすることなく音を鳴らすのがハンマリング・オンです。

具体例

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この譜例はトータル・ギター・メソッドのテクニック編T015から1小節抜粋したものです。

最初の3音の場合は人差し指で 5 弦 3 フレットを弾いた状態から弦の振動を保ったまま中指で5フレット、小指で7フレットを順に押さえます。これがハンマリング・オンです。
Hammering Onの頭文字である「H」のマークが出てきたらハンマリング・オンすると覚えて下さい。

この時の注意点として、ハンマリング・オンした後に人差し指や中指を離してはいけません。つまり、写真のように小指を押さえ終わった時には人差し指と中指がまだ押さえたままになります。

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ハンマリング・オンの利点

なんでハンマリング・オンなんてするんでしょうか?

それはレガートになるからです。

ピッキングによる「弾き直した感」がなくなります。

ハンマリング・オンの欠点

ハンマリング・オン後の音はピッキングせずに、1つ前の音の振動を利用するので、どうしても小さくなってしまうんです。具体例のように2回連続でハンマリング・オンがあると音が消えてしまうこともあります。

なので、なるべく「素早く」「強く」ハンマリング・オンすることで前の音が小さくなりすぎないように注意しましょう。

まとめ

ハンマリング・オンとはで、特定の弦で 1 つの音を弾いてから押弦することだけで、ピッキングすることなく音を鳴らす弾き方です。利点と欠点を理解して練習頑張って下さい。

頑張るギタリストを応援しています。

津本幸司

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【パワーコードの弾き方】今さら聞けないシリーズ

パワーコード

ルートと5度だけのコードです。3度がないのでメジャーでもマイナーでも使える万能なコードです。恐らくここまではご存知でしょう。でも弾き方に意外な注意点があるんです。初心者の方はそんなの聞いたことないですよね。

心配無用です。

この記事を読んだらパワーコードの弾き方の注意点が分かりますよ。

結論

注意点は3つ

  1. 左手の押さえ方
  2. 右手の弾き方
  3. 弾く強さ

です。1つずつ見て行きましょう

①左手の押さえ方

「第一関節を反対側に曲げない」

これだけです。

でも、これができないんです・・・そして指を痛めるんです。何十年言い続けて来たでしょうか、何冊の本に書いたでしょうか、何年雑誌の記事で書いたでしょうか、何回トータル・ギター・メソッドのフェイスブック・レッスンで注意したことでしょうか・・・。

人差し指でルートを押さえて、薬指で5度を押さえます。この薬指が反対側に曲がりやすいのです。コツは小指で1オクターブ上のルートを押さえることです。これにより関節の下側をサポートしてくれるので反対側には曲がりにくくなります。

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オーケー

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NG

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オススメ

②右手の弾き方

「高音弦をリズムに合わせる」

これだけです。

低い音と高い音が同時に鳴っている時、聴取者は高い音を基準にリズムを感じています。しかし、弾き手は最初に低い弦に触れた「感触」を頼りにリズムを感じるのです。このギャップが「リズムに遅れて聞こえる」原因なんです。高音弦を狙って、そのついでに低音弦を弾いていると考えるくらいが丁度良いでしょう。

③弾く強さ

「2,4拍目にアクセントを入れる」

これだけです。

もちろん、初心者が8ビートで「ズンズン・ズンズン・ズンズン・ズンズン」と弾いていることを前提としています。

これなかなか難しいんです。「アクセント=強く弾く」ですが、初心者の方が普通に弾いている状態で既に「強い」んです。だから、そこからアクセントを入れようとしても、ただ「力む」だけになるんです。普段を軽めに弾いてアクセントの部分だけを「普通に弾く」と考えると綺麗な強弱が付いてくれます。

まとめ

パワーコードの弾き方の注意点は3つ

  1. 左手の押さえ方:第一関節を反対側に曲げない
  2. 右手の弾き方:高音弦をリズムに合わせる
  3. 弾く強さ:普段を軽めにして2,4拍目を普通に弾く

以上参考になれば嬉しいです。

頑張るギタリストを応援しています。

津本幸司

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